【賃貸住宅の原状回復とは】高額な退去費用を請求されたときの対処法

不動産
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賃貸住宅退去の際に敷金が戻るどころか逆に請求されるケースは少なくありません。喫煙やペットの飼育もせず、丁寧に部屋を使用しても経年劣化は避けられません。退去費用としてクロスやフローリングの張り替え費用を請求されたら払うべきか迷う方は多いです。

この記事では賃貸住宅の退去費用の考え方と高額な退去費用を請求されたときの対処法について解説します。この記事を読めば高額な退去費用を請求された場合に払うべきか、交渉すべきかがわかります。

退去費用は内容により貸主と借主でどちらが負担するかが決まっており、借主が全額負担する必要はありません。通常使用にともなう傷や経年劣化などは、貸主が負担するべき部分です。借主は故意や過失で付けた傷や汚れの修繕費用は負担しなければなりません。自分で判断が難しい場合は消費生活センターに相談しましょう。

退去費用の基本的な考え方

普通に生活していれば生じる経年劣化は貸主負担が原則です

退去費用(原状回復費用)とは、借主が退去する際に「入居前の状態に戻すための費用」のことです。ただし元通りにすると言っても「すべてを新品の状態に戻して返す」という意味ではありません。

国土交通省が定めた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(以下ガイドラインとします)では、費用負担の考え方が明確に示されています。

貸主が負担すべき費用

経年劣化によるクロス・フローリングの変色や傷み
日照による畳・フローリングの日焼け
設備の自然な老朽化・機能低下
画鋲・ピン穴(下地ボードを傷めない程度のもの)

借主が負担すべき費用

故意または不注意による傷・汚れ(タバコのヤニ、ペットの引っかき傷など)
清掃を怠ったことによるカビや汚れ
不適切な使用による設備の破損

退去費用が高額請求になるケース

具体的な金額は部屋の広さによりますが、ワンルーム(5年以上入居、多少の傷・汚れあり)の退去費用の目安は3万〜8万円程度です。

クロスやカーペットは耐用年数が6年とされています。5年以上入居している場合、退去費用として請求される額は少額(1万円以下が目安)です。15万円を超えるような請求は不当な項目が含まれている可能性が高いため、以下のケースに該当していないか確認しましょう。

ハウスクリーニング費用が全額請求されている

退去後のハウスクリーニング費用を全額借主に請求するケースがあります。しかし、通常の清掃を行っていれば、クリーニング費用の全額負担は不当とされるケースがほとんどです

賃貸借契約書に「退去時クリーニング費用は借主負担」と明記されている場合は借主の負担クロスやフローリングの全面張り替え費用を請求されているになります。契約内容は事前に確認しておきましょう。

クロスやフローリングの全面張り替え費用を請求されている

壁の一部に傷があるだけで「部屋全体のクロスを張り替える費用を請求される」ケースがあります。ガイドラインでは、傷の補修は「損傷箇所の最小限の範囲」にとどめるのが原則です。たとえば壁の一部の傷に対して、部屋全体の張り替え費用を請求するのは不当な請求の可能性が高くなります。フローリングを傷つけた場合も傷つけた部分だけが請求の対象となります。

経年劣化が考慮されていない

経年劣化は借主負担の対象外です。クロスや設備は入居年数が長くなれば、自然に劣化します。経年劣化を「汚した」として修繕費を請求するのは不当です。

ガイドラインでは、クロスの耐用年数は6年とされており、6年以上入居した場合は残存価値(あと何年分の価値が残っているかを金額にすると)がほぼゼロとなります。6年以上入居後に退去した場合、貸主がクロスを新しくした方がいいと判断すれば、貸主の負担になります。

高額な退去費用を請求されたときの対処法

退去費用の見積もり・内訳を詳細に提示してもらう

請求内容の詳細を書面で提出するよう求めましょう。「何が、どこが、いくら」という内訳が明確でなければ交渉の土台が作れません。口頭での説明だけでは判断が困難です。請求書には以下が記載されているか確認してください。

  • 損傷箇所の具体的な場所と状態
  • 修繕方法と使用する材料
  • 単価・面積・数量の根拠
  • 業者の見積書や領収書

ガイドラインとの違いをチェックし書面で反論する

請求が不当と思われる項目についてはガイドラインを根拠に書面で反論しましょう。感情的にならず「ガイドラインに基づけば経年劣化に該当するため負担できません」と冷静に主張することが効果的です。

反論書には以下を含めましょう。

  • 反論する項目と理由
  • 根拠となるガイドラインの該当箇所
  • 認める費用と認めない費用の区分
  • 敷金の返還を求める場合はその金額

専門機関に相談する

自分だけで交渉が難しい場合や、金額が大きい場合は専門機関への相談をおすすめします。市区町村の消費生活センターに相談しましょう

消費生活センターは電話での相談を受け付けています。必要に応じて対面相談も可能です。解決が難しい案件は弁護士への相談方法や裁判所での調停方法も教えてくれます。

まとめ|高額な退去費用を請求されたら専門家に相談しよう

高額な退去費用を請求された場合は「ガイドライン」を確認しましょう。不当な項目には根拠を持って冷静に対応することが重要です。費用負担の原則は「故意・過失による損傷は借主負担、経年劣化は貸主負担」です。

納得できない高額請求にはサインをする前に、消費生活センターや弁護士などの専門機関に相談しましょう。

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